H.265は現在主流のH.264の後継であり、今後主流となると推定される。H.264の半分のビットレートで同等の画質を実現できると言われている。
Windows10およびmacOS以降でサポートされている。
ffmpegでエンコードするにはコーデックとして、
-c:v libx265
もしくは
-vcodec hevc
を指定する。
品質は-crfで指定する。
とれる範囲は0から51。値が小さいほど、高画質になるが、その分ファイルサイズは増える。
-crfのデフォルト値は28である。これは、H.264でのデフォルト値-crf 23と同等の画質を実現する。ファイルサイズがほぼ半分となる。
-presetオプションはエンコード速度と品質もしくは出来上がるファイルサイズを決定する。
-preset [ultrafast, superfast, veryfast, faster, fast, medium, slow, slower, veryslow, placebo]
デフォルトはmedium。
品質固定モードの場合、出来上がる品質は同じであるが、速度が速くなるほど、ファイルサイズは大きくなる。
時間がある限り-preset praceboを使うとより小さいファイルにすることができる。
プリセットで指定した後、さらにtuneで詳細な指定が行ない、動画を最適化できる。
通常使うオプションは、
-tune [film, animation, grain, stillimage, fastdecode, zerolatency]
で、デフォルト値では無指定である。
filmは実写の動画向きに最適化される。
animationはアニメ向けに最適化される。
grainはざらざらが残るような古い映画などをエンコードする際に使われる。
stillimageは、スライドショーなど、動きのほとんどない場合に使う。
fastdecodeはCABACおよびin-loop deblockingを無効にし、デコードの際の負荷を減らす。その分画質は落ちる。モバイル機器など、貧弱な環境向けにエンコードしたい場合に使う。
zerolatencyは再生の際のレイテンシーを減らしたい場合に使う。頭出しは速くなるが、ファイルサイズは少し増加する。
複数のオプション、例えばfastdecodeとzerolatencyを両方指定したい場合は、カンマで区切って指定する。
-tune fastdecode,zerolatency
Windows10のエクスプローラーでサムネイルを表示させる場合や、PowerPointで再生するためには、このオプションが必須である。
YUV 4:2:0でエンコードするには、
-pix_fmt yuv420p
もしくは
-vf format=yuv420p
オプションを付加する。なお、複数の-vfを入れると、最後ののみ有効になるので、-vfオプションが複数ある場合はカンマで区切ること。
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