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目次 >> HandBrakeの設定と使い方

HandBrakeの設定と使い方

ここでは、フリーのエンコーダー、HandBrakeを使ってDVDやBlu-rayディスクから主にiPadやiPhone、Android向けの動画を作成する方法を解説する。FFmpegではなく、HandBrakeを使う一番の利点は、ディスクの構成を自動的に解析してくれる点である。ただし、内蔵されているFFmpegのバージョンは最新ではない場合が多いので、単一動画ファイルを別の動画に変換する場合は、FFmpegの方が簡単であり、高品質になる場合がある。ディスクにはプロテクトはかかっていないものとする。
ここで目指すのは、iPadぐらいの小さな画面とスピーカーで再生したとき、十分に鑑賞に堪えられる動画を作ることである。iPadの記憶容量には限りがあるので、1つあたり500MBから1GB程度を目標とする。
一方、エンコード時間は問わないことにする。すなわちどんなに時間がかかってもコンパクトで高画質な動画を作成することを目標とする。
対応バージョンは0.10.5。

メイン画面

Source

この項目は、DVDやBlu-rayディスクをドライブにセットして、そのドライブを選択すると、その内容を解析して自動的に本編の部分を選択してくれる。DVDドライブを何時間も回しておきたくない場合は、HDDやSSDにコピーして、そのフォルダを選択すれば良い。
特定のチャプターなど一部分のみをエンコードしたい場合は、ここで調整する。
ディスクやフォルダ以外に、通常の動画ファイルも選択できる。

Destination

エンコードした画像の出力先である。

Output Settings

mp4コンテナ vs mkvコンテナ

mp4とmkvの違いであるが、さまざまなOSで互換性の高いのmp4である。通常はこちらを選択すれば良い。

ではmkvを選ぶ利点は何かというと、Ble-rayの字幕を、ソフト字幕として組み込める点である。DVDでは字幕は文字ベースであるので、mp4をコンテナとして使っても問題ない。しかしBle-rayのイメージベースのPGS字幕はmp4では焼き込む以外に字幕をつける方法がない。

よって、Ble-rayの字幕を、ソフト字幕としたい場合は、mkvコンテナを使えば良い。

m4v

アップル向けのプリセットを選ぶと拡張子がmp4からm4vになることがある。

mp4とm4vではファイルの構造などにほとんど違いはない。唯一の違いは正式なmp4はac3音声を含めることはできない。この点を除けば、動画を作成した後、拡張子を変えても問題なく再生することができる。

なお、m4vはアップルが策定したフォーマットであるが、Androidなどでも再生可能である。

Large File Size

ファイルサイズが4GB以上になる場合は、ここをチェックする。
ただし、古いプレーヤで再生できないことがあるので、ファイルサイズが4GBを超えない場合は、むやみにつけない方が良い。

Web Optimized

通常はファイルの最後につく動画ファイルの情報を格納したmoov atomがファイルの最初につくようになり、動画ファイルを完全にダウンロードしなくても再生を始めることができるようになる。チェックしておいても特に副作用はないようである。

Pictureタブ

Size

動画の画面サイズである。ソースを選択すると自動的に設定されるので、縮小したい場合以外は特にいじる必要は無い。

Cropping

Automaticを選択しておけば自動的に最適な矩形で切り出してくれる。

Video Filtersタブ

画像に対する各種フィルターの設定である。
ほとんどの場合、すべてOFFでもきれいな画像ができる。
もし出力映像によこしまのノイズなどが入るなど問題が起きた場合にこの項目を設定する。

Detelecine

Decomb

入力がインターレース画像の場合、この項目をdefaultを選択しオンにする。
このフィルタは、次のDeinterlaceと比べて利点があり、インターレース画像であれば解除し、そうでない画像であれば、何の影響も与えない。そのためエンコード速度の僅かながら低下するものの、常時オンでもかまわない。

Deinterlace

この項目は通常使わない。
デインターレースにはDecombで対応する。
Deinterlaceだと、インターレースでない映像が入力ソースの際に画質の劣化を引き起こす。

Denoise

ノイズを低減させるフィルターである。圧縮率を高めることができるが、画質は低下し、強くかけるほど映像はのっぺりとしたものとなる。

Deblock

Grayscale Encoding

Videoタブ

Video Codec

特に理由が無い限りx264を選ぶ。

最適値:H.264 (x264)

Framerate

通常は、Same as source、すなわち元画像と同じでかまわない。
なお、iPadのプリセットを選ぶと29.97が自動的に選択される。

最適値:Same as source

Constant Quality (品質固定モード)

品質固定モードでエンコードする。通常はこちらでよい。
小さい値ほど高画質。
モバイル機器向けの小さくてかつ見るに堪える動画を作るには、28付近を選ぶと良い。
パソコンのようにHDDやSSDに余裕がある場合は、22前後を選んでも良い。
数値が小さいほど高画質になるが、ファイルサイズは急激に大きくなる。
ファイルサイズは、6減るごとに、およそ倍になる。
18以下でほぼ見た目上の劣化がなくなる。

Ave Bitrate (ビットレート固定モード)

ビットレート固定モードでエンコードする。
横のボックスで平均ビットレートをkbpsで指定する。大きくすればするほどきれいな仕上がりになるが、ファイルサイズは大きくなる。
もっとも画質に影響するパラメータである。
画面サイズがDVD程度であれば、Average Bitrateで500kbps程度にすると、ノートパソコンやiPadなどでの鑑賞に堪えられる動画ができる。2時間程度のDVDであれば、ファイルサイズはおよそ500MB程度になる。300kbpsあたりが下限である。これ以上下げるとブロックノイズなどが頻発し、鑑賞に堪えない。1000kbps程度とれるとかなりきれいな仕上がりになる。
Blu-rayサイズすなわちFull HD画像の場合は、1000kbps程度ないとブロックノイズがかなり出る。

2-Pass Encoding

ビットレート固定モード場合選べる。当然チェックした方が高画質になるが、時間は2倍程度かかる。

最適値:チェック

Turbo first Pass

2-Pass Encoding時に初回を高速に行うか。x264を選んでいるときに選択できる。通常はオフにしておく。

最適値:オフ

x264 Preset

ultrafast, superfast, veryfast, faster, fast, medium, slow, slower, veryslow, placeboの値がとれる。

時間がある限りplaceboを選択する。

品質固定モードの場合は、ファイルサイズが変わる。placeboではultrafastのおよそ半分のファイルサイズになる。

ビットレート固定モードの場合は、遅ければ遅いほど画質が向上する。

最適値:placebo

x264 Tune

無指定のNoneでも良いが、入力画像がどのようなものか判っている場合、ここを設定するとさらに適切なパラメータが設定される。

filmは実写の動画向きに最適化される。
animationはアニメ向けに最適化される。
grainはざらざらが残るような古い映画などをエンコードする際に使われる。
stillimageは、スライドショーなど、動きのほとんどない場合に使う。

fastdecode

デコード時の計算量が多いCABACおよびin-loop deblockingを無効にし、デコードの際の負荷を減らす。その分画質は落ちる。
モバイル機器など、貧弱な環境向けにエンコードしたい場合に使う。

最適値:オフ

H.264 Profile

Autoにして選択したパラメータによって自動的に設定してもらうのが良い。

最適値:Auto

H.264 Level

Autoにして選択したパラメータによって自動的に設定してもらうのが良い。

最適値:Auto

Audioタブ

動画が500kbps程度の場合、音声を160kbpsでエンコードすると、3割以上を音声が占めることになる。64kbps程度まで落としても、iPadのような小さなスピーカであれば、十分に鑑賞できる。しかし内容が音楽が主体であれば、当然大きな数値を選んだ方が良い。ここら辺は、ソースとの兼ね合いで決める。

コーデックはAACの方がMP3よりも特に低ビットレートで高音質である。高ビットレートではあまり変わらない。

Subtitleタブ

もし字幕を追加したい場合は、ここで追加する。

Ble-rayの字幕を、ソフト字幕(再生時にオンオフを選択できる字幕)としたい場合は、mkvコンテナを使う必要がある。

Chaptersタブ

Create chapter markersをオンにしておくと各チャプターの頭出しが簡単にできるようになる。

Advancedタブ

通常はこのタブにある項目を一つ一つ設定するよりは、プリセットを選択し自動的に設定してしまうのが簡単である。

Reference Frames

この項目は、高いほど高画質になるが、エンコードに時間はその分長くなる。そして特に注意しなければならないのが、この数値が大きければ大きいほど、再生時の負荷も大きくなるという点である。そのためむやみに大きくしてはならない。
また、この数値を1から2に上げた場合、ノイズレベルが0.15dBほど改善されるのに対し、6から12にあげた場合、わずか0.02dB程度しか改善されず、エンコード時間も15%から20%程度伸びる。
画質と再生時の負荷を考慮すると6から12程度が適切である。

最適値:6-12

Maxmum B-Frames

B-Frameは、通常は多くても3から4程度しか使われない。
最大値であるので16に設定していても問題ないし、16まで使われることはまずない。

最適値:16

CABAC

圧縮率が上がるが、Baseline Profileではオフにする必要があり、iPodや古いデバイスなどで再生できない可能性がある。
デコード時の計算量が多くなるので、品質よりもバッテリの持ちを重視する場合もオフにするとよい。

最適値:チェック

8x8 Transform

少しだけエンコード時間が長くなるが、圧縮率を5%ほど改善する効果がある。ただしこれをチェックすると一部High Profileをサポートしていない機器では再生できなくなる可能性がある。

最適値:チェック

Weighted P-Frames

画像改善の効果があり特にフェードの場面などで効果があるが、Baseline Profileではオフにする必要があり、Apple TV、iPodや古いデバイスなどで再生できない可能性がある。

最適値:チェック

Pyramidal B-Frames

B-Frameが他のB-Frameを参照するようにする。Normalにすると、minigopあたりいくらでも入れられる。Strictにするとminigopあたり1つだけになる。

最適値:Normal

Adaptive B-Frames

Optimalを選択することによって、画質を上げることができる。

最適値:Optimal

Adaptive Direct Mode

一般的にSpatialの方が良い結果となるが、Temporalの方が良いときもある。Autoにすると、自動的に最適な方を選んでくれる。

最適値:Automatic

Motion Est Method

下に行けば下に行くほど、良い結果になるが、エンコード時間は長くなる。エンコード時間が気になるようであれば、Uneven Multi-Hexagonあたりにしておいても良い。

最適値:Transformed Exhaustive

Subpixel Motion Est

数値が高いほど良い結果になるが、エンコード時間は延びる。

最適値:10: QPRD in all frames

Motion Est Range

Motion Estimation MethodでUneven Multi-Hexagon以上を選ぶと出てくる。大きな数値であるほど、制度は良くなるが時間もかかるようになる。

最適値:64

Partition Type

標準ではMost。Allにすることによって、さらに画質を上げることができる。

最適値:All

Trellis

よりエンコードに時間がかかるようになるが、画質が少しだけ改善する。

最適値:Always

Adaptive Quantization Strength

ビットレートの配分の仕方を決める。大きな値にすると、動きの激しい部分により多くのビットが使われる。ただしその分他の部分の画質が低下する。ソースにも依るので、どの値が最適化は一概には言えない。

最適値:デフォルト値(1)

Rate Distortion

人間の近くを考慮した圧縮をする。

最適値:デフォルト値(1)

Psychovisual Trellis

この機能はまだ試験中なので、現時点では切っておく。

最適値:0

No DCT-Decimate

出力画像に特に問題が無い限りチェックしてはいけない。

最適値:チェックしない

Deblocking

最適な数値というのは存在しない。よほど低いビットレートを選んだとき以外はデフォルトの値で良い。

最適値:0:0


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