目次 >> PDF
ここではPDFについていろいろて述べる。
1.5以上であれば、それほど変わりはない。1.5より小さいバージョンの場合、JPEG2000圧縮が使えないなどの問題があるが、これより大きくしても3D機能など通常はあまり使わない機能が追加されるだけである。
昔からAdobe Acrobat(いわゆるWriter)はバグが多いが、今でも少し複雑なパワーポイントファイルなどを変換しようとすると、意図しない結果となることがままある。また、Wordなどに内蔵されているPDF出力も簡易的なものであり、出版レベルのPDFを作ることはできない。
一方、ポストスクリプトプリンタは、多くの場合意図した通りの印刷結果が得られる。
PDFに変換する際に、印刷でAcrobatを選ばず、一端ポストスクリプトプリンタドライバを経由してポストスクリプトで出力し、それをファイルに保存して、ポストスクリプトファイルからDistillerもしくはps2pdfで変換するとより精度の高いPDFが得られる。
手順は下記の通り。
1.ポストスクリプトプリンタを選択し印刷する。その際にファイルに出力するようにする。
2.拡張子がprnとなっているのでそれをpsに変える。
3.このポストスクリプトファイルをAdobe distillerかps2pdfでPDFに変換する。Adobe distillerで変換する場合、カラースペースがRGBになっていないとくすんだ色になるので注意。
ポストスクリプトプリンタのドライバは何でもよいが、自分はXeroxのプリンタを使っていることもあり、Xeroxのプリンタドライバをインストールしている。Adobe distillerは有償ソフトであるが、ps2pdfはフリーのGhostscriptに付属している。
PowerPointから直接JPEGやTIFFなどの画像ファイルに変換すると最大解像度は300DPIである。場合によってはこれ以上の解像度で図を作成したい場合がある。
上記の方法を使うと、非常に高精度なPDFを作成することができる。上記の方法でPowerPointから作られたPDFをJPEGやPNGやTIFFファイルに変換してやると、300DPI以上の高解像度画像ファイルを作成することができる。
変換はAdobe Acrobat(distillerじゃない方)を使うか、ImageMagickのconvertコマンド(Windowsの場合はmagickコマンド)で変換する。
Adobe Acrobatを使う場合はファイルメニューからエクスポートしてやればよい。
ImageMagickを使う場合は、
convert -density 2400 -compress zip input.pdf Fig%02d.tiff
magick -density 2400 -compress zip input.pdf Fig%02d.tiff (Windowsの場合)
とすると、input.pdf内のすべてのページがFig01.tiff、Fig02.tiff、Fig03.tiffのように変換される。
-densityオプションは解像度を指定しており、単位はDPI.。この場合、2400DPIである。
-compressオプションは圧縮方法を指定している。TIFFファイルの場合、圧縮しないとファイルサイズが非常に大きくなるので、通常は指定したほうが良い。
なお、ポストスクリプトプリンタのドライバにより、余白が追加されてしまう場合がある。そして、そのままconvertでtiffにすると、その余白が黒くなる。Adobe Acrobatで変換すれば余白は黒くならない。根本的にはプリンタドライバの設定(もしくはプリンタドライバそのもの)を変える。
JPEGに変換するには、
convert -density 2400 -quality 90 input.pdf Fig%02d.jpg
magick -density 2400 -quality 90 input.pdf Fig%02d.jpg (Windowsの場合)
のようにする。
-qualityオプションは圧縮率を指定している。100に近いほど、画質は良くなるがファイルサイズは大きくなる。
ImageMagickに付属するconvertというプログラムを使う。
ただし、Windowsで使う場合、OS固有のconvertというコマンドとぶつかるのでmagickという名称になっている。
使い方は
convert *.jpg foo.pdf
magick *.jpg foo.pdf(Windowsの場合)
のような形で使う。これにより、フォルダ内のすべてのJPEG画像が
foo.pdfというファイルにまとめられる。
全ページの横のサイズを合わせたい場合は、
convert *.jpg -adaptive-resize 2000 -density 300 foo.pd magick *.jpg -adaptive-resize 2000 -density 300 foo.pdf(Windowsの場合)
のようにしてやるとよい。
-adaptive-resizeに横の長さを、-densityでDPIを指定する。
有償版Acrobatであれば当然PDFファイルの分割や結合はできる。
macOSであれば「プレビュー」で開いて、サムネイルの部分に結合したいPDFをドロップすると簡単に結合できる。また分割や移動も「プレビュー」アプリで簡単にできる。
最終更新日